【新潟県燕市国上地区】焼き物(国上焼)を作る穂生窯(ほなりがま)に行ってみた【陶芸・陶器】

陶器、焼き物…というと、なんとなーく、職人が集中して作っていて、一般人にとっては近寄りがたい「崇高」な感じがしますが、最近、燕市に焼き物を身近に感じさせてくれる陶器の製作所が完成し、窯開きが行われました。【2019年4月21日OPEN】今日は、そのことについて書いてみようと思います。

穂生り窯 工房 外観画像
穂生り窯 工房
目次

基本情報

場所:〒959-0136 新潟県燕市国上2970−1
駐車場:なし穂生窯の前は幅狭の市道のため駐車には注意が必要。(
※乙子神社草庵の駐車場がオススメです。
営業時間:不定

定休日:不定

穂生窯への行き方

穂生窯への道のり画像
神社の境内を通って行くルートだと路駐せず安心です。

国上寺に続く県道405号線の途中に乙子神社草庵の駐車場があるので、そこに車を止めていくと安心です。

穂生窯(乙子神社)駐車場
穂生窯(乙子神社)駐車場

5~6台程度止められる駐車場から階段(乙子神社東参道)を下って乙子神社の境内を通っていくと穂生窯が見えてきます。

「穂生窯」(ほなりがま)では「国上焼」という陶器を作っています。

穂生窯で出来た焼き物(国上焼)の画像
力強い「国上焼」の数々

新潟県新潟市出身の「井村さん」という女性の方が開いた窯で、小さい頃から祖母の農業の仕事を手伝って「土に触れることが好きだった」ことと、「ものづくりが好き」ということから陶芸の道が始まったそうです。

井村さんは栃木県の窯業技術支援センターで3年間(栃木は益子焼という焼物が有名なところ)沖縄県では8年間(読谷村焼北窯→読谷焼が有名なところ)の修行を経て独立されたとのことでした。

現在は、沖縄で知り合った京都の女性の方と2人で窯を運営されています。

国上焼のぐいのみ画像
国上焼のぐいのみ

作り出される「国上焼」は確かに益子焼のもつ素朴な感じと沖縄のやちむん(焼物)さながらの力強さを感じます。黒っぽくて、どっしりと重厚感があってとってもいい感じです。

信楽焼とか古備前焼のような渋~い感じの焼き物がお好きな人は必見かもしれません。井村さんたち曰く、お皿に乗ったお料理を引き立たせる器を目指しているそうです。

工房内

蹴りろくろ画像
蹴りろくろ

工房内を拝見させていただくと、ありました!器の整形に欠かせないろくろです^^ 穂生窯さんでは、電動ろくろではなく、足で蹴って回す「蹴りろくろを」使用していらっしゃいました。

穂生窯「土」画像
陶器づくりに欠かせない「土」

土は現在阿賀野市で採取される粘土(有名な『安田瓦』にも使用されいる土だそうです。)を主とし。そこに滋賀県の信楽焼の土も混ぜて使用しているとのことです。

釉薬処理後画像
釉薬をかけ終わった後の器たち

器を焼き上げたときにつるりとした光沢を持たせるため、器を整形し乾燥させたあと、釉薬(ゆうやく)へくぐらせます(籾殻の灰や石灰を細かく粉にして水に混ぜたもの)が、そのときの籾殻には燕市産のお米の籾殻を使っているそうです。(こだわりがすごいですね)

穂生窯完成品画像
焼きあげたばかりの器たち

一つ前の画像であんなに灰色だった器が焼きあがるとこんなにきれいになるなんて!^^ 焼物作りって整形から焼き絵つけまで、いろんな工程・技・その時の運も経て出来上がるため、本当に奇跡的な1品と出会えるのがおもしろいですね。^^

窯小屋

穂生窯 窯小屋 画像
穂生窯 窯小屋

工房のわきに、焼きの工程に欠かせない窯小屋があります。こちらの窯、ほとんど手づくりされたのだとか・・・。すごい。工業的にガス釜や、電気釜を使用するところもありますが、こちらはあえてのテマヒマかかる登り窯が採用されています。

穂生窯 手作り登り窯  外観画像
穂生窯 手作り登り窯

穂生窯さんの登り窯はまきを燃やす燃焼室(手前)、陶器を焼き上げる1番釜(奥)という構造になっています。ここで焼きの工程になると井村さんたちは焼きあがるまで24時間火を見守るそうです。(大変!)窯の上に載っている小さな壺は、焼きの仕上がりの様子を途中で見るための試し焼き用の壺なんだそうです。

穂生窯 一番窯内部 画像
1番釜内部

窯の内部はこんな感じです。真ん中に作成して乾燥させた器を置く場所(白い部分)があります。先ほどの窯の手前にあった燃焼室で火を起こすと熱がこの1番釜の内部を循環し始めます。イメージがこちら↓

穂生窯 熱の循環のイメージ 画像
熱の循環のイメージ

燃焼室(左側)から来た熱は、1番釜室内の下方(右側)についている通気口から煙突に吸い込まれていきます。図のように一旦上昇した熱が再び降りてくるようなかたちになるため、室内は均一な高温の状態に保たれるという仕組みになっています。

穂生窯 煙突画像
小屋の上部に向かって伸びる高い煙突

1番釜を通った熱は、この煙突を通じて外に出て行きます。当初、煙突の高さは、画像のように古いレンがが積まれているあたりまで(地上3メートルくらい)しかなかったそうですが、そのときは井村さん曰く「釜内部の温度がそんなに上がらなかった」そうです。

今は、煙突を伸ばしたことによって「煙突効果」が高まり、釜の中に理想的な熱の循環状態を生み出したそうです。それにしてもこれを手作りで作成されたとは、改めて驚きです。

穂生窯 煙突2 画像
廃校舎の廃材を利用

資材はほとんど燕市内からかき集めてきたとのこと。当然、こういった窯の部品に使うレンガは耐火レンガでなくてはならず、井村さん達が困っていたところ、廃校になった学校の焼却炉に使われていたレンガを譲ってもらうことができたんだそうです。^^

国上焼これからが楽しみな陶器です。

穂生窯国上焼の焼き物たち画像
穂生窯国上焼の焼き物たち

雪国新潟で焼物をするというのは至難の業で、寒い地域では土は乾かず、寒すぎると土の含む水分が凍ってしまい、作品に大きな影響を及ぼすそうです。それでも、この地で焼き物をやっていきたいという井村さんたちの「穂生窯」。

これからどんな名品ができあがるのかとても楽しみです。

土瓶7,000円
はしたて(ペンたて)1,800円
マグカップ2,500円
皿2,000円
4寸めし碗1,500円
湯のみ1,300円
つぼ700円

など、日常使いできる作品を作成・販売しておりますので、興味のあるかはぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

将来的には燕の背油ラーメン用どんぶり皿なんかも出来たらいいな~^^

穂生窯さんのインスタグラムはこちらから
https://www.instagram.com/honari_gama/

今日は、 そんなかんじ!!^^

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